とうもろこし

農場の味仕立て

農場の味仕立て

 

これからお伝えする事は、本来であれば「とうもろこしの味」としてお話しすべきかもしれません。
シーズン中にお伝えできれば一番なのですが、仕事に追われる秋の繁忙期。やっと一段落したら、もう南瓜さえ終わる時期になってしまいました。
ただ、村上農場としての「味を仕立てる」仕事の基本は、全ての作物において同じ考え方をとっています。
なので、「味を仕立てる」という焦点で、とうもろこしを例にしてお話しさせて頂きます。

 

一般的な農業は種を蒔く所がスタートだと思いますが、
私達の農場では狙った味を見定める事がスタート地点になります。
そして、最終段階の「味」を考え、逆算してどんな仕事が必要かを、紐を解いていく。
そして最後に、種を蒔く・種を管理する・品種選考、つまりは「スタート」に行き着くのです。

こうした事を踏まえて、農場の頒布会便りから一部抜粋改定をし、お話しします。
少し長いですが、お付き合いくださいね。

~頒布会便りより抜粋・改定~

大きな括りで「美味しい味」は、何処でも手に入ると思います。でも、私達が目指しているのは普通に美味しい味ではなく、心を掴まれる様な「点」で迫る味です。
とうもろこしやじゃがいも、南瓜は日常の食材でどこでも手に入ります。もちろん、隣のスーパーマーケットでも。だからこそ、選んで頂く為には、何処にでもある普通に美味しい味ではいけない。どんなに条件の悪い時にもある程度の結果を出せること、安定しない自然の中である程度自分たちの理想の味に作り込めること、それが理想であり、プロの仕事だと思います。

 

現在、世の中に出回っているとうもろこしの品種は全てスーパースィート種です。

どれも甘さが重視されて、当たり前に作れば高糖度に仕上がる様、作られた種ばかりです。 そこに如何にしてとうもろこし本来の味を乗せていくかが、味作りの重要なポイントだと思います。甘いだけのミカンが美味しくないのと同じで、私は甘いだけのとうもろこしを美味しいとは思いません。小さい頃は、とうもろこしは二本目に手が伸びたものでした。でも今は、甘さや皮の柔らかさばかりが重視され、昔の様なとうもろこしの味にはなかなか巡り合えません。 ともすれば、味わいと甘味のバランスが悪い為に、くどくて半本程度しか食べられないものも沢山ある様に感じます。その甘いとうもろこしは本当に美味しいのでしょうか。

私達が目指す味は、複雑な味わいが絡んで出来た美味しさ。二本目に手の伸びる、バランスの良い完成された味です。ついつい食べ過ぎてしまう、食べ飽きない、身体に負担が掛からないことが大事です。  

また、収穫後、時間の経過と共に最初に抜けるのは糖度です。でも、味わいは必ず残ります。つまりは、甘さが抜けても味さえしっかりとしていれば美味しい。反対に、甘さだけのとうもろこしは甘さが抜けると無味になってしまいます。だかこそ、その個体の持つ味わいの深さがものを言うのです。

私達がこのポイントに拘るのは、お客様が最後にお召し上がり頂く瞬間までが私達の責任だと思っているから。その為に私達は、味作りを以下の五段階に分けて考えています。

 

①種蒔き~収穫直前(栽培・味の土台作り) 
②収穫の方法(見極め・味の結果作り) 
③収穫~箱詰め(味を残す処理) 
④配送(劣化の少ない輸送形態)
⑤お届け後の保管・食べ方のご提案(味の維持・適正調理による味の引き出し)

私達は、この五段階を一つづつ完結させて初めて、納得出来るとうもろこしの味を、皆さんにお届け出来ると考えています。
例えば、その作業がなぜ必要なのか、どの様に味に影響するのか聞かれても私達は全て答える事が出来きます。全ての作業に理由があるからです。
これはとても大事な事なんですよ。誠意ある仕事をしていないと、全うな答えは出ないですから。

まずはベース作り。
①種まき~収穫直前までの土台作りは化学肥料を使わない事で、急激な成長をさせない事等々が含まれます。

次に②収穫方法(見極め)
これは、サイズではなく味わいを見て熟したと判断する事が重要です。
じつは、市場的に良しとされるサイズに仕上がっても、必ずしも味わいが熟する訳ではなりません。サイズが整っても味が乗るのに2、3 日要する場合があります。ここは天候の影響も大きく受けますね。もし、サイズが整っても味わいが乗らなければ農場は出荷をストップしなければならなくなるので、切ない選択が迫られます。ティスティングが重要になるのはこうした所です。見かけに惑わされないでしっかり味わいで判断することがとてもとても大事です。畑サイドは収穫して販売したい、流れを止めたくない。これは農薬や化学肥料を使わずに育て、手もぎをしている以上、私も痛いほど分かる感覚です。
自分を追い込むような厳しい生産をすればするほど、当然、精神的に際きわの所迄に追いつめられていく瞬間があります。ずるをしたい訳ではなく、楽になる感覚を求める、救われたいんですね。それは、本当に追いつめられる様な辛さがあるからです。精神的にどんどん追いつめられる。でも、そこを正していかなければ、結果として絶対に甘さが出る。そうした事を私達の農場では「味」で食い止めていくのです。 勿論、ティスティングサイドのと厳しい攻防が繰り広げられる訳ですが、私もこの辺りに関しては譲れない(だって、お客様の信頼や農場全体の責任が掛かっている訳ですから)ものがありますから、もう、それは「美味しくないから売らない。」と言ったら断固として売りません。どんなことをしてでも出荷はストップになります。それは、それは、畑サイドとのかなり激しい攻防になりますけれど・・・。
実際、サイズが整っているのに味が乗らないから全ての出荷を止める、と言うのは相当な勇気なのです。 過熟(熟し過ぎること・粒がボコボコに)になると、売り物としての価値が無くなるのでロスも出ます。同じ日に種を蒔いた同一品種でも、化学肥料を使わない為に生育にムラが出ます。だから数日を掛け、手の感覚で熟したものだけを選んで収穫するのですが、数日掛けているうちに、お天気が絡んで急に過熟が進む、なんてこともあるのです。

こうした作業の後、③収穫~箱詰め(味を残す処理)となります。
じつはこの②と③を的確に行う事で、とうもろこしの味は採れたてから確実に7日間程度、味の劣化がなくなります。特にこの③の工程がお届け後の味のほぼ100%を決めると言っても良いでしょう。この二点に関する私達の農場の技術はかなりのものだと思います。(エヘン!)
 

きっぱり断言しますが、「とうもろこしは新鮮だから美味しい」なんて言うのは技術不足から生まれる間違った神話、そして認識でしかありません。

ところが!!!!今期、それだけではない驚くべき発見がありました!
私達の農場では、上記①~④迄の工程で出来る味わいの確認の為、収穫後に6日程度冷蔵庫で保管し、お客様が実際にお召し上がり頂く日数を経過したと思われる段階まで追い込んでからのティスティングも行っています。

これは、先に述べた様に、私達はお客様がお召し上がりになるまでが私達の責任だと考えているからです。私達の思う味作りの一連の作業に間違いが無いか、詰めの甘さが無いか、狙う味に仕上がりになっているかの、いわば確認ですね。6日後もホント、びっくりするくらい劣化が無く美味しいですよ。
ところが、ある日、この6日目のティスティングをしたところ、驚く程味が抜けていいました。もう、びっくりしてしまって、、、。これは何か原因があるに違いないと、確認の上、全ての作業の洗い直しをしたんですね。 勿論、私達の認識不足もあるかもしれませんし、とにかく、こういう場面に当たった時、全ての自分の価値観や固定観念を手放して、素直な気持ちで一つ一つ確認しなければなりません。拘りがあると間違いを見つける事は出来ませんから。(この素直さは、農業者にとって大事な事だと思います。) でも、どうやっても間違いが見つからない。もしかすると信じていたものが全て間違っていたかもしれない。絶望的になって頭を抱え、打ち合わせに打ち合わせを重ねた結果、、、なんと、収穫直前の「台風」に行き着いたのです。 そのとうもろこしは、台風の雨上がりの翌日に収穫したものでした。もちろん、私達は毎日収穫したものを午前中に茹でてティスティングをし、味の確認をしていました。当然、そのとうもろこしも6日ほど前に食べたものです。でも、その時に感じたのは「ちょっと味が緩んだな」という程度でまだまだ合格点内の物だったのです。それは、毎日ティスティングしている私達だから分かる程度の微妙な違いでした。一般の方なら間違いなく分からなかったでしょう。

ところが、そのゆるみが6日後に、大きな味わいの差として出現したのです。これは思いもよらない事でした。そう考えると、昨年の様な大変な雨量の年、味が決まらずに胃が痛い思いをしたのも納得が出来ます。なるほど、それが理由だったのか、と。
このことが分かったので、来期はこうした大雨前後のオペレーションを再構築していくつもりです。

 

ちなみに、後日。

①早朝収穫3時間後のとうもろこし 
②お天気の良いベストタイミングの早朝に収穫した
 6日前のとうもろこし

この二つを茹で、事務スタッフの高橋に実際にティスティングしてもらう味覚テストをしました。
もちろん、今日採れたものと6日前のもの、という打ち明けを伏せて行ったのですが、結果として高橋は違いが良く分からなかったらしいです。

私個人としては、むしろ、6日前のとうもろこしが美味しく、その日の朝採れを若干上回る味わいがあると思いました。

野菜の味わいというものは、つくづく深く、面白いものですね。
個人的に、今期は味仕立ての難しさを再認識したシーズンになりました。
もちろん、野菜の味を100%作り上げるなんて、人がコントロールできる訳ではありません。
どんなに力を尽くしても、自然の前には人は無力。 でも、それを克服する為の知恵や愛情が生む味もあります。そして、それに向かっていく事が私達の責任。
そんな、お話でした!!

長い文章にお付き合いありがとうございます。

※今期のレシピ「ふわふわトルティージャ」皆さん、もうお試し頂きましたか? 

 

村上 智華 担当 電話受付・販売

熟成させたじゃがいもの味や質を見極め、販売時期を決める仕事を担当しています。お電話では、個人のお客様からプロの方まで、品種ごとの熟成状態をご説明したり、料理合わせのご提案をしております。お客様と人として寄り添い合い、長いお付き合いを築けたらと思っています。

ベビーコーン(ピュワホワイト)続々と収穫開始!

ベビーコーン(ピュワホワイト)続々と収穫開始!

みなさんこんにちは!

スタッフの山田です。

祈りを込めて種を播いてから、あっという間に時が過ぎ、ベビーコーン(ピュワホワイト)は収穫のシーズンに突入しました!右の写真は収穫間近なベビーコーンです。

村上農場のベビーコーンはご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、ピュワホワイト(白系コーン)のベビーコーンです。

一般的にベビーコーンは、黄色のとうもろこしの1番果(1番先に身を付けるもの)を大きなとうもろこしとして収穫し、2番果や3番果を間引きして収穫して販売するというものですが、

村上農場のベビーコーンはベビーコーン専用株からの栽培・収穫をするという贅沢な栽培をしています!
この味を作る為に、5年以上も試行錯誤を繰り返し、現在の栽培に行き着きました。

受粉前の1番果からベビーコーンとして収穫する事で、味に雑味や酸味もなくすっきりした味わいになります。

そのままグリルなどで蒸し焼きしていただき、少し休ませて粗熱を取ることで果芯だけではなく薄皮にも熱が入ります。
薄皮も丸ごと一緒に召し上がっていただくと、筍のような味わいになります。

無農薬・無化学肥料で栽培しているので、安心して皮やひげも召し上がっていただくことができます。

今年のピュワホワイトは発芽率(芽が出てくること)が非常に悪く、発芽のタイミングにもばらつきがあったので、正直非常に心配しておりました。

ですが、スタートしてみればまずまずの収穫状況!

そしてなにより今年のベビーコーンは品質・味ともに自信有りです!

昨年が台風等の影響で散々な結果だっただけに、今年のベビーコーンを見るたびに立派に育ってくれてありがとう・・・と感謝の気持ちでいっぱいになります。

村上農場のベビーコーンをまだお試しになってない皆さまにもぜひ今年のベビーコーンを食べていただきたいと思います!ベビーコーンは9月中旬頃まで収穫予定ですので、これから収穫が始まるとうもろこし(8月下旬頃~)と一緒にお届けすることもできますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 

 

山田 真梨子 担当 お豆・とうもろこし・アスパラ

最近1kgの牛肉の塊を購入して自宅ステーキ祭りをする程のお肉好きです(笑)。食べるの大好き!の気持ちから農業を極めていきたいと思っています! 今年はお豆料理を沢山して、村上農場のお豆の美味しさや楽しさを発信していきたいと思っています!

祈りを込めてとうもろこしの種まき中

祈りを込めてとうもろこしの種まき中

皆さんこんにちは!

スタッフの山田です。とうもろこし担当2年目となりました。

昨年は天候に恵まれず、とうもろこし・ベビーコーンともに不作の1年でした。今年こそはお天気に恵まれて、より多くの皆さまに村上農場のとうもろこし・ベビーコーンを沢山美味しく召し上がっていただきたいと思っています。

村上農場のとうもろこしは化学肥料や農薬を一切使わずに丁寧に育てたものです。一般的に栽培されているとうもろこしとの大きな違いは、なんといってもとうもろこしならではの“旨み”です。化学肥料や農薬を使わずにじっくり育てたことによって、甘いだけではないとうもろこしの“旨み”を作り上げていきます。

 

 

今季は・・・

 

黄色系 6種類
                 おひさまコーン・ゴールドラッシュ・みわくのコーン  

         キャンベラ・恵味スター

バイカラー系  (濃い黄色と淡い黄色の2色の粒があるとうもろこしです。)
      
 夢のコーン
               

・ホワイト系
                ピュワホワイト

                           以上の収穫を予定しております。

 

 

とうもろこしは鮮度が命!
朝早く収穫したものを冷蔵庫でしっかり予冷した後にその日のうちに箱詰めして出荷させていただいております。そのため種まきも少しづつ。約3日おきに種まきを進めています。

現在約折り返し地点半分程の種まきが終了。雨などの影響も少しありますが、ほぼほぼ予定通りに種まきを進めています。

毎回種まきをしている時は祈るような思いで種を播いております。

「おいしくなりますように」

「いいものがたくさん収穫できますように」

「台風がきませんように」

「適度な雨とお日様に恵まれますように」

生産者目線の勝手な欲を一粒一粒の種に込めて。

今年は7月下旬にベビーコーン(ピュワホワイト)の収穫・販売からスタートします。

とうもろこしの収穫と販売は8月下旬から9月に予定しております。

それまでは、暑さに負けずに除草(草とり)頑張りますので、今季もどうぞよろしくお願いいたします!

下の写真のように、まだまだ小さなとうもろこしの芽ですが、少しづつ日に日に大きく成長していくとうもろこしを見ていくのはワクワクしてたまりません(笑)

山田 真梨子 担当 お豆・とうもろこし・アスパラ

最近1kgの牛肉の塊を購入して自宅ステーキ祭りをする程のお肉好きです(笑)。食べるの大好き!の気持ちから農業を極めていきたいと思っています! 今年はお豆料理を沢山して、村上農場のお豆の美味しさや楽しさを発信していきたいと思っています!

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