■春 6月種まきをします。芽が出ると間もなく、竹の手を芽の近くに刺し、四本一組で倒れないように竹を組み縛ります使う竹は例年3万本。全て人の手で行うのですが、高い場所で紐を縛る為に、数時間も手を上げたままにする作業が続くと、血が通わずに指に力がはいらなくなります。竹を運ぶのも勿論重労働、過酷な作業です。その後、数時間経たずに蔓が竹に巻き付きます。中には隣の竹に向かう蔓もいますが、手取り除草の障害になる為、優しく一番近い竹に帰す作業をします。 ■夏 7月末ころから少しずつ花が咲き始めます。蔓は最長で6メートル程に伸びます。この時期曇天が続くと、花咲が悪くなり、充分な受粉が出来ずに豆の鞘(さや)の数に影響が出る為、お日様が大切です。私たちの農場では南瓜と蔓性の豆を隣合わせて植え、蜂の巣箱を置きます。この時期は南瓜の受粉と豆の受粉に蜂も大忙し。8月末になると、ジャングルの様に育った豆の中に沢山の蝉やその他の虫が遊びにやってきます。お豆と南瓜を隣り合わせに植えるのは、農薬を使わないエリアを固め近隣の農薬から蜂を守る為でもあります。 ■秋 いよいよ収穫です。まずは人の手で地上10cm程の高さで豆の茎を切り、豆が竹に巻き付いたままの宙に浮いた状態で、しばらく天日乾燥させます。その後、縛っていた紐を外し、竹を抜きます。豆を蔓ごと集め、“すのこ”の上に“にお積み”をして、再度天日乾燥させます。品種によってはそのまま畑で豆お年をします。 ■冬 お豆の選別・調整作業に入ります。とうみを掛け、一粒づつ人の手で選別、磨きを掛けて袋詰めします。 えりも小豆と音更大袖振大豆の機械選別について 私達の農場のこうした想いにご賛同頂きお豆腐や和菓子にお使い頂く量が増えた為、平成27年度産のえりも小豆と音更大袖大豆の2品種に限り。機械選別を行う運びとなりました。選別後農場で必ず状態を確認しながら、機械では選別しきれなかったものを手で選別しなおし、袋詰めさせて頂きます。 大正金時 煮豆の代表格。甘煮だけでなく、チリビーンズなどの洋風料理にもぴったり。適度なコクがあり、使いやすい人気の品種です。 福白金時 レストランからのオーダーが一番多い品種です。肉・魚介・野菜等、どんな食材とも馴染みます。本来は白餡用の品種なので甘煮等にも。マルチに使えるお勧め品種。 えりも小豆 香りのよいのが特徴です。栽培に技術が必要で、最近は新品種にとって代わり、生産量が減少している品種です。冷涼な地での栽培の為か澱粉化が高く、炊き始めはホクホクとして美味しいです。 白花豆 白色のお豆の王様。炊き上りはふくふくとして、食べ応えがあります。マッシュしても美味しいです。 紫花豆 お豆の王様。濃厚で大粒、炊き上りはふくふくとして食べ応えがあります。 音更大袖振大豆 膨張率が高く大粒で存在感のある大豆です。うまみたっぷり、ふくよかで上品な味わいが特徴です。栽培が難しく収穫量が少ない為に、栽培面積の少ない希少な品種です。 にお積みで乾燥させています。 栗豆 北海道でもなかなか見ない在来種。栽培が難しい品種です。他の品種に比べ、炊き上がりにやや時間が掛かりますが、甘納豆風に仕上げると、マロングラッセの様なねっとりとした食感が楽しめます。正に栗のよう。人気品種です。 パンダ豆 澱粉価が高く、煮戻すと丸々と太った様に膨らみ、その姿はパンダの様です。色落ちしないのでお料理の中でも、もとても映えるお豆です。 鞍掛豆 青大豆の一種で模様が馬に乗るために馬の背に掛ける道具「鞍(くら)」を掛けたように見えることから鞍掛豆(くらかけまめ)と呼ばれています。 栽培が難しい品種ではありますが、鞍掛豆の美味しさに惚れ栽培をしています。 甘みと濃厚な旨みがあり茶豆に引けを取らない味わいであり、ひたし豆、サラダ、豆ごはんや煮豆好きさんにもお勧めのお豆です。 2023年には、埼玉県の三之助・もぎ豆腐様から当農場の鞍掛豆を使用した、季節のお豆腐「奏(かなで)」が誕生しました。 例年ですと9月中旬以降の販売、詳しくはもぎ豆腐様のホームページをご確認ください。 造り手のまごころがたっぷりとつまったお豆腐を是非ご賞味いたたければ幸いです。