じゃがいもは収穫後の時期や貯蔵方法で、質が変化する農産物です。 美味しく食べるには、じゃがいもの熟成による変化を知ることが大切。 じゃがいもの熟成は甘みが増す事に注目されますが、全ての品種が甘くなるわけではありません。糖度が殆ど上がらないものもありますし、質感が変わるもの、水分率が変わるものなど様々。秋には揚げて美味しい品種も、糖化してしまうと焦げ付きやすくなります。 熟成を念頭に置いた丁寧な栽培をしたじゃがいも また、秋にホクホクした品種も糖度と共に水分が上昇する品種は、甘いけれどサラダに向かなくなります。さまざまな特性を知ることが、美味しくお料理し、お召し上がりいただく近道です。そして、村上農場のじゃがいもは、性質さえ知れば、ひとつの品種でもあらゆるお料理に使うことが可能です。熟成を念頭に置いた丁寧な栽培をしたじゃがいもの本当の底力を知ってください。粘質だからといって硬くない、“柔らかさ”のあるじゃがいも。 粉質だからといって溶けたりしない、しっかりしたじゃがいも。それが、村上農場のじゃがいも。そのようなじゃがいもは、品種の枠にとらわれない料理を楽しむことが出来ますよ。 肉じゃが 秋に収穫されたメークインは太陽の光をたっぷり浴びた葉がでんぷん質を十分に蓄えた後です。つまり、ホクホクとして、煮崩れしやすいのです。秋の粘質のじゃがいもは必要以上に煮込んではいけません。さっと火を通すだけにしてくださいね。煮込むのは熟成が進んでから。二月がお勧めです。 男爵で肉じゃがは作れないの? じゃがいもは水分が無ければとても煮崩れしにくくなります。蒸したじゃがいもにいくら火を通しても、溶けてなくならないのが良い例ですね。水分を控えて蒸し煮にしてしまえば、男爵のような粉質も煮物に使うことが可能です。 また、秋には粉質感たっぷりのじゃがいもでも、熟成と共に粘化するものもありますからその様な品種は、熟成期にぐつぐつと煮込むことも可能です。 じゃがいもを揚げてみる 一番大切なのは、揚げ物に合う特性を持った品種を選ぶこと。油と相性の悪い品種だと、焦げたり、べちゃべちゃした仕上がりになります。チップスには合うけれどフライドポテトには合わない品種もあります。揚げ物適正のある品種で簡単にカリッと、黄金色に仕上げましょう。また、甘くなったじゃがいもは焦げ付きやすいので、新じゃが期と熟成期では揚げ物の適正品種が変わります。新じゃがの時期はからりと揚がるのに、春には焦げる品種は意外に多いものです。 じゃがいもを美味しく揚げるには ①切ったじゃがいもをお水につけ、表面の澱粉質を取ってから、水をふき取って油に入れましょう。 ②油に入れたじゃがいもからシュワシュワした音と気泡が消え、油の表面が静かになったらじゃがいもがかりっと揚がった証拠です。 ③じゃがいもの厚さや熟成時期で温度を変えましょう。 フライドポテトの場合は、低温で揚げた後、一度揚げて冷めるまで長く休ませ、水分を外に出し、食べる直前に再度高温で仕上げます。カリッと揚げるには、内部の水分を出す事が重要です。 お芋をおいしく食べる お芋は、水分を入れなければ入れない程、旨味を閉じ込める事ができます。蒸しすぎると味が飛んでしまうので、適時に取り上げることが大切です。オーブンでローストしたお芋は、水分を入れずに火を通すことで旨味が逃げません。更に、お芋自体の水分も軽く飛びますので旨味が凝縮します。高温でじっくり焼いてみましょう。 旨味を引き出すために お芋の旨味を引き出すには、塩分が一番です。当たりのやわらかいお塩よりも、ミネラルのたっぷり含まれた“きりり”とした口当たりのお塩が向くようです。お塩の種類次第でお芋の旨味は如何様にも変化しますから、色々なお塩でお芋との相性を調べてみるのも面白いですよ。 じゃがいものお話 作り続けるということ 栽培と熟成 品種と特性