品種と特性

品種によって異なるじゃがいもの変化

村上農場のじゃがいもは、秋に収穫され、一旦貯蔵庫で眠りに入ります。
じゃがいもは、品種によって

  • 糖化の振り幅
  • 粘化の有無
  • 粉質感の減少
  • 風味の変化
  • 内部の水分率の増減

など、熟成による変化が異なります。

農場長

その変化は、栽培中の気候・栽培方法・収穫の状態・収穫後の貯蔵状態、熟成期間に大きく影響され、全ての過程は味を作る筋道となります。
その為、私たちのじゃがいもの味は、その一つ一つを考慮しながら作り上げるものであり、収穫時に終わるものではありません。
一度に全ての品種を販売しないのには、そんな訳があるのです。 そして、最終的にはテイスティングによる味の確認を経て、品種ごとの出荷が決定します。
一番早いもので収穫後一か月から、一番遅い品種は約6か月の熟成期間後の出荷となります。

※栽培方法や貯蔵方法で性質が変わる為、以下のチャートは村上農場で作ったお芋に限ります。 また、栽培中の気候によっても変動します。

…新じゃが期  …熟成期

北あかり

北あかり

農場の一番人気。ポテトサラダや蒸し芋に向き。
熟成すると粘りと甘みが増し、料理適性も変わります。新じゃが期にはさっぱりホクホク粉質のポテトサラダ、完熟期には甘く粘りのあるコッテリしたサラダへと、ポテトサラダ一つとっても、熟成による味わいの変化を感じられる品種です。熟成期には主役級の濃厚な味わいであることから、シンプルな具材のポテトサラダに向きます。2月~3月には粘りが出る為、軽い蒸煮もOK。粘質系品種よりも味が染みやすく、柔らかな食感の肉じゃがに仕上がります。HP上コラムのページにて、北あかりについての考察があります。ご参考までに。

■栽培期間/1999年~栽培中
■栽培ポイント/地上部が気温が高くなると傷みやすい為、丈夫に栽培することが大切

男爵

男爵

粉質でポテトサラダや蒸し芋に向き。
ベーシックな品種であることや、糖度の変化が微量である為に良さを実感しにくいですが、じつはとてつもなく旨みが増す特性を持ちます。言ってみればお出汁の様な役目を果たすので、他の食材を引き立てます。具沢山のポテトサラダに最高。熟成期には締りが出る為、マッシュしたり、蒸した後に手の腹で軽く潰す等、細胞間に空気を含ませるイメージで調理すると粉質が戻ります。私たち自身、男爵の良さを引き出す栽培~熟成の解明には随分時間が掛かった、良いものに仕上げるには奥の深い品種です。

■栽培期間/1970年代~栽培中
■栽培ポイント/定番だが気象条件に影響されやすく病気にも弱い為、栽培が難しい品種

メークイン

メークイン

ロースト、軽い蒸し煮~シチューや肉じゃがなどの煮込み等に向きます。
一般的には荷崩れしにくいと言われる品種ですが、寒暖の差が激しい北海道では収穫したてのメークインは光合成を終えたばかりで、たっぷり高澱粉。その為、12月を迎えるまでは非常に煮崩れしやすく、むしろポテトサラダにも向くほどです。しっかり煮込むのは熟成が始まる12月以降がお勧めです。寒暖の差や光合成を利用して高澱粉に仕上げるからこそ、熟成期に振り切る糖化の面白さを感じられる品種。日本のベーシックであるからこそ、一般的な味わいとの比較において、畑での健全育成から熟成までの流れをダイレクトに感じる事が出来ます。

■栽培期間/1980年~栽培中
■栽培ポイント/栽培は難しい品種の一つ、条件の良い畑に栽培する

北海こがね

北海こがね

フライドポテト適正有。油と相性良く、外がカリッ、中はホクホクに揚がります。
質感はやや固く、煮崩れしにくので煮込み料理にも最適で、ダイスカットでミネストローネ等にも。熟成期には更に煮崩れしにくくなります。粘りが少なく歯触りが軽いので、スライスのグラタンに最適。食感軽く仕上がります。締りがある為に粉吹き芋には向きませんが、高澱粉なのでマッシュするとホクホクし、ポテトサラダにも向きます。澱粉の間に空気を含ませてホクホクさせるイメージです。熟成期の質感の変化や糖化が少ない為、料理適正もほぼ変動なく、安定している品種です。シーズンを通し、安定して活躍します。

■栽培期間/1999年~栽培中
■栽培ポイント/茎葉が非常に丈夫、1メーター程迄伸びるが、倒伏しにくい

レッドムーン

レッドムーン

肉じゃが等の煮込み、グラタン・ピュレ・ロースト向き。
栽培時期に低温に当たると熟成が進みやすい特徴がありますが、反面、熟成にバラつきがあって味づくりが難しい、作り手泣かせの品種です。正し、上手く熟成させると透明感のある黄色に変化し、まるで食感の軽いさつま芋な極甘な味となります。レッドムーンの様にもともと粘りが少ない品種は、熟成によって糖度が上昇しても強い粘りが出ない為に、歯切れ良い食感や軽い喉越しが楽しめ、それがさつまいもと一線を画す面白さでもあります。完熟期の黄色い果肉と赤い皮はコントラストも美しく、甘みが強いのでアンチョビやチーズなど強い塩分とも相性良いです。比較的発芽しやすいので注意しましょう。

■栽培期間/2000年~栽培中
■栽培ポイント/ストロンが非常に太く、収穫時期のタイミングが難しい。地上部が繁茂しやすいので肥料を抑えて栽培する

インカのめざめ

インカのめざめ

煮込み、蒸し芋、ロースト、細切り炒め。新じゃが期にはポテトチップスも。
インカ系品種は他の品種とは異なり、熟成期にショ糖が増加する為、強い砂糖甘さを感じることが出来ます。独特の栗やナッツの様な風味も人気の要因です。休眠期間が極端に少ない為、収穫前の畑の中で芽を出す事もあり、劣化が早い難点があります。その為、一般流通で美味しいインカのめざめに出会うのは至難の業。収穫直後から一年先を見据えた熟成管理が重要です。村上農場では通常熟成、雪下熟成(頒布会限定品)、11か月長期熟成と、三つの熟成パターンで味を仕上げ販売しています。同年度産でも熟成ごとに異なる味わいをご賞味下さい。ご家庭でも到着後はすぐに、冷蔵庫での保管をお願いします。

■栽培期間/2001年~栽培中
■栽培ポイント/密植により初期生育を良くし、分肥により茎葉の勢いを生育後半まで保つことが増収量へ繋がる

インカの瞳

インカの瞳

肉じゃがなどの煮物、蒸し煮、煮込み、ロースト向き。
インカのめざめの妹です。新じゃが期の食味はインカのめざめと大きな違いはありません。熟成が進むと糖化と共に、水分が高くなり、質感が柔らかくなるのが特徴です。それ故に萎びやすく種芋や熟成中の管理が難しい一面もあります。完熟期に煮込むとトロリとろける素晴らしい食感がとてもクリーミーです。クリームシチューなどに相性ぴったり。反面、蒸かすとやや水っぽい印象になります。例年、インカのめざめより熟成が早く進む傾向があります。要冷蔵保管。

■栽培期間/2004年~栽培中
■栽培ポイント/インカのめざめより水分を多く含む為、種イモが萎びて芽が出ないケースが多く、欠株が多くなる

インカルージュ

インカルージュ

ロースト、肉じゃが、煮込み向き。
新じゃが期の食味はインカのめざめと大きな違いはありませんが、熟成後に微量な食感の柔らかさがあり、料理に馴染みやすい印象があります。インカの目覚め・インカの瞳との違いは、なんと言っても、赤皮と黄色い果肉のコントラスト。皮付きのままローストすると美しい色合いが、ひと際目を引きます。インカのめざめに極めて似た味わいですが、不思議と熟成の波や完熟期が被る事がありません。インカ系品種がお好きな方は味の仕上がりに合わせてお選び頂くのがお勧めです。

■栽培期間/2008年~栽培中
■栽培ポイント/インカの瞳に比べ水分率が少ない為、種イモは萎びずらい。萌芽の揃いはインカのめざめよりも若干晩生

シャドークイーン

シャドークイーン

紫色を生かしたお料理に。
熟成すると締まりがでますが、味わいの変化はそれほど大きくありません。正し、年によってはミネラル感の強く仕上がる為、新じゃがで粗野な香りが出る事もありますが、熟成に伴い消失します。ポテトチップスやフライドポテトにするなら10月~11月の新じゃが期がお勧めで、美しい色合いに仕上がりますが、11月下旬を過ぎると焦げやすくなるので煮込みや蒸したお料理などに使うと良いでしょう。色が濃厚で強いので、ノーザンルビー等他の品種と合わせて色遊びをする際は、シャドークィーンの割合をやや少なめにすると、バランス良くまとまります。

■栽培期間/2004年~栽培中
■栽培ポイント/茎葉は丈夫で、株間を遠くすると大きくなりやすい。貯蔵中は芽が出にくい

ノーザンルビー

ノーザンルビー

ピンク色を生かしたお料理に。
新じゃが期はミネラル感が強く、土を思わせる野性的な味わいですが、熟成すると極甘に仕上がります。農場がこれまで熟成庫で熟成させた全品種の中では、最も高い糖度である16度を記録した品種です。正し、熟成と共に水分が上り、蒸してカットすると中から水が湧く様な表情を見せることがあり、水っぽくなる為に時期によって用途を選びます。シャドークィーン同様11月11月下旬を迎えると微量に焦げやすくなる為、ポテトチップスやフライドポテトにするなら新じゃが期に。仕上がりの色がとても美しいです。

■栽培期間/2004年~栽培中
■栽培ポイント/発芽しにくいので、種イモの管理が大切な品種

アンデスレッド

アンデスレッド

じゃがバター、マッシュサラダやコロッケに最適。
新じゃが期は野性味あふれる香りとさっぱりした超粉質が特徴。熟成速度は北あかりよりも若干遅い、もしくはバラつきがあります。早い年では12月初旬から少しずつ熟成の片鱗が見え始め、2月頃に完熟を迎えます。熟成すると濃厚な甘みと香り、やや粘りが生まれ、濃厚な完熟期にはケッパーと玉ねぎだけで作る、素ポテトサラダも美味。新じゃが期と熟成期で表情がまるきり違いますが、両方に良さが在る為に、農場でも珍しい新じゃがと完熟期の二回に渡る販売を行う品種です。

■栽培期間/2004年~栽培中
■栽培ポイント/空洞が多いので、対策として株間を狭くし、施肥量を控えるのがポイント

はるか

はるか

肉じゃがや煮込み料理に向きます。
舌触りがとても滑らか。新じゃが期には軽やかな粘りと食感ですが、熟成期には独特の強い甘みやもったりとした粘りが生まれ、煮込むと里芋を思わせる舌触りとなります。唯一無二の素晴らしい特性から、私たち自身が揺るぎない信頼を置ける農場お勧め品種。基本的には煮物にお勧めですが、粘りの食感がお好きな方はコロッケやポテトサラダにも。新じゃが期から味の乗りが良く、秋から春まで楽しめるとても優秀な品種です。

■栽培期間/2004年~栽培中
■栽培ポイント/農場ではメジャー品種以外で一番生産量が多い。芽数が少ないので種イモは小さくしない

デストロイヤー(グランドペチカ)

デストロイヤー(グランドペチカ)

肉じゃが、煮込み、ロースト向き。
長崎の民間種苗家、故・俵さんの作品です。(タワラムラサキ、ヨーデルも同様)正式な登録名はグランドペチカですが、斑模様がプロレスラーの覆面顔に見える事から通称デストロイヤーとも呼ばれます。レッドムーンからの突然変異株から生まれ、似た特性を持ちますが、熟成スピードはレッドムーンより遅く、おおよそ約一か月強遅れで進みます。正し、熟成の兆しを感じるとその速度が速く、二週間後には仕上がり、レッドムーンの熟成を追い越すこともあります。レッドムーン同様に熟成にムラがあり、ごく稀に糖化しない年もあります。奇麗な糖化を遂げるには、栽培期間期間中しっかりと低温に当たる事が必要不可欠な様に思います。悩ましいですが、それでも尚、魅力的な品種です。レッドムーンよりやや水分率が高いです。比較的発芽しやすいので完熟期の保存は要冷で。

■栽培期間/2004年~栽培中
■栽培ポイント/レッドムーン同様に初期生育が非常に旺盛な為、肥料を少な目に栽培する

ヨーデル

ヨーデル

粉吹き芋、ポテトサラダ等に向きます。
農場で栽培する品種の中でもナンバーワンの超粉質。特徴的な長円形な形状で、皮から中心部までのアプローチが極端に短い為、火の入りが非常に早く、新じゃが期には蒸し器の中で崩壊してしまう程の柔らかさです。皮が薄いのも特徴でしょう。新じゃが期にはやや野性的な香りがありますが、熟成すると甘みや粘りが出て、味・香り共に濃厚に仕上がります。正し、こうした粉質系品種の糖度が上がる熟成で出る粘りは、軽く歯切れも良い為、粘質系の熟成に見られる重さはありません。その為、熟成期の粘りの質感は軽やかで、マッシュしてわざと粘りを出し、カナッペやオープンサンドにするのもお勧めです。パンと非常に相性の良いです。こうした類の品種は熟成期に、皮の直下の果肉表面に赤い皮色が移るのですが、ヨーデルはまるで夕焼けの色になります。

■栽培期間/2004年~栽培中
■栽培ポイント/形が細長いので、種芋が萎びない様に管理する必要がある

こがね丸

こがね丸

新じゃが期にはポテトサラダ、フライドポテトにお勧めです。
油切れが良いので通常のフライドポテトは勿論、大手メーカーのお菓子の様に、超細切りにカットして揚げても美味。熟成させても、ホクホクの粉質や油との好相性度に変化はありませんが、糖度が上がる為に焦げやすくなる為、熟成に合わせて油の温度を変える必要があります。熟成期の味わいとしては、ホクホクした粉質、むっちりした軽い粘り、深い味わいと甘み等々複雑な食味や質感を兼ね備えます。揚げ物以外では、時期を追って粘りが強くなるので、ポテトサラダは熟成初期までに。完熟期にはカットしたサラダ、もしくは軽い煮物がお勧めです。

■栽培期間/2011年~栽培中
■栽培ポイント/北海こがねより丸く大粒、芽が出づらいので長期貯蔵にも向いている

さやあかね

さやあかね

粉吹き芋、ポテトサラダ、コロッケ等に向きます。
熟成させると驚く程甘くなります。北あかりよりも砂糖甘い糖化をするので、ショ糖の影響がある様に感じます。(検査に出していないので正確ではありません。)通常の粉質系じゃがいもは、熟成すると粉質感(ホクホク)が低下し、水分や粘りが出たりするのですが、さやあかねは粉質を維持しながら糖化する特異で愛すべき品種です。こうした熟成特徴を持つじゃがいもは他にはありません。ただ、熟成速度にふり幅があることや、北あかり以上に打撲に弱く、その部位が黒く変色する症状が熟成期に顕著になる為、選果や輸送に非常に気を使います。

■栽培期間/2009年~栽培中
■栽培ポイント/疫病に強いが打撲に弱い、生育は旺盛で多収となりやすい、花の色が奇麗なピンク

サッシー

サッシー

肉じゃが、しっかりとした煮込み料理、ロースト等に。
Best of 煮込みじゃがいも!!新じゃが期から強固に煮崩れしにくい特性を持つ、唯一無二の品種です。煮込むとサッシーから出る澱粉(もしくはペクチンの様なもの)が、他の具材と絡んで汁を粘化させ、料理を一体化させる不思議な力を持ちます。ムチムチした独特の食感が非常に素晴らしく、肉じゃが、じゃがいものパスタ(Pasta e patate)、生の状態から作るガレット(ロスティ)では、独特の個性を発揮します。秋から春まで楽しめる素晴らしい品種です。

■栽培期間/2004年~栽培中
■栽培ポイント/万能な品種。小粒傾向になりやすいので、株間を広くする。

粉吹雪

粉吹雪

ポテトサラダや芋餅に。
北海道で一番栽培面積広い品種ですが、澱粉原料品種の為に世の中には殆ど出回りません。高澱粉である事から、不思議と研究機関や教育機関のオーダーも多かった品種です。非常に細かな澱粉の粒子で、非加熱の生の状態で擦り下ろしても水分、澱粉、すりおろした果肉が分離しません。こうした特徴を持つ品種はとても珍しく、フライパンで焼く芋餅にぴったりです。熟成するとほんのりとした甘みや果肉に締りが出ます。

■栽培期間/2006年~2015年
■栽培ポイント/澱粉用品種で、生育期間が長い程、増収量となる
北むらさき

北むらさき

ポテトサラダ、粉吹き芋向き。
新じゃが期にはホクホクとした粉質で野性味のある荒々しい香りがあります。熟成はムラがちで、奇麗に熟成する年と変化に乏しい年があり、良い年は1月下旬頃から味と香りの糖化が進みます。紫色は淡く、インカパープルと同様色素が水に溶けやすい特性で、火を入後は、ほんのりとした紫色です。油との相性はあまりよくありませんが、その昔、北むらさき、インカパープル、シャドークィーンの種芋が揃って入手できた時代があり、濃淡三種類の紫色のじゃがいもで「紫陽花色のポテトチップス」というレシピ提案をしていました。とても素晴らしい色合いでした。

■栽培期間/2004年~2016年
■栽培ポイント/大粒で多収、じゃがいものが付く位置が非常に深い為、収穫作業は大変

とうや

とうや

肉じゃが、煮込み料理向き。
一般的には男爵の前に収穫できる早生品種で、本来は北海道産のじゃがいもの価格が高い時期に早出し出来る品種なのですが、私達は熟成させて初めて品種の持つ良さを引き出せると考えています。この品種は収穫時期が連動するせいか、男爵や北あかりと比較される事が多いのですが、粉質でもなく粘質でもなく「中間!」といった感じ。その中途半端さを払拭するのが熟成の力なのですが、熟成ムラがあります。糖度が上がる年は素晴らしい出来になりますが、えぐみが出やすいので熟成に耐えうる素地があるかというと、ちょっと難しいところ。

■栽培期間/2011年~2019年
■栽培ポイント/早くから肥大するため施肥量は少なめに

シンシア

シンシア

肉じゃが、煮込み料理向き。
品質は安定して大玉、つるんとして調理しやすい品種です。熟成変化もありますが微量に留まり、熟成という意味では他の品種に競り負けることが多く、私たちの農場では品種の良さに価値を見出すことが出来ず栽培を終了しました。ただ、私たちはこうしたケースでも、栽培と熟成の間に何らかの疑問を持った場合は、再度栽培に取り組むことで、熟成の謎を紐解きとする事があります。

■栽培期間/2002年~2007年
■栽培ポイント/生育後半に急激に肥大するので、株間は狭い方が良い

タワラムラサキ

タワラムラサキ

ポテトサラダ、粉吹き芋向き。
さっぱりとした粉質で皮目はエレガント。熟成速度は遅く、2月~3月後半に仕上がります。糖化熟成する年としない年があり、5割位の確立でしょうか。糖化しない年もほんのり旨みが増します。種芋が手に入りずらく、熟成のムラや熟成が春まで遅れ、発芽のリスクが高いので今は生産をお休みしています。

■栽培期間/2004年~2014年
■栽培ポイント/茎が丈夫で栽培しやすい

コロール

コロール

おでんや煮物、ロースト向き。
フランス系品種。長い間栽培を続けてきましたが年々種芋が手に入らなくなり、ここ数年栽培を見合わせています。熟成にバラつきがあり、熟成が遅れている時は低温の環境を与えてあげる等の工夫が必要でした。ただし、水分を多く含むので凍結のリスクもあり、知識や経験をもっても冒険的な品種です。上手く熟成すると糖化します。種の入手が困難で生産を中止しています。

■栽培期間/2005年~2014年
■栽培ポイント/貯蔵すると劣化しやすいが、土つきのままある程度の湿度があれば良い状態が保てる

スタールビー

スタールビー

肉じゃが、煮込み料理、ロースト、芋団子向き。
熟成期にはマッシュするとボールヘラと共に持ち上がるくらい、強力な粘りと甘みが増します。熟成の速度が遅く3月頃に味が整うのですが、同時にえぐみも出やすく、上手く仕上るか毎年ドキドキしていました。反面、全く糖度が上がらない年もあって博打的な品種でしたね。種芋の生産が無くなり栽培終了となりました。

■栽培期間/2004年~2014年
■栽培ポイント/北あかりに似て、弾力性がある触感で傷に弱く亀裂が入りやすい。芽の休眠は長い

ジャガキッズパープル

ジャガキッズパープル

ポテトサラダ、粉吹き芋、軽い蒸し煮向き。
紫色の皮で果肉はやや白身を帯びた黄色ですが、輪切りをすると稀に皮の内側にリング状の色素が入りこみます。新じゃが期にポテトチップスにすると、そのリングが映えてとても美しい仕上がりになります。ジャガキッズレッドよりもやや締まりがあり、熟成変化は微量です。

■栽培期間/2005年~2009年
■栽培ポイント/生育は旺盛で多収量、芽はアンデスより浅く、中心空洞多い

ジャガキッズレッド

ジャガキッズレッド

ポテトサラダ、粉吹き芋向き。
赤色の皮で果肉はやや白身を帯びた黄色ですが、ジャガキッズパープルと同じく、輪切りをすると稀に皮の内側にリング状の色素が入りこみます。ポテトチップスにすると、そのリングが映えてとても美しい仕上がりになります。ジャガキッズパープルに比べ、やや熟成変化が見られます。

■栽培期間/2005年~2009年
■栽培ポイント/生育は旺盛で多収量、芽はアンデスより浅く、中心空洞多い

雪下熟成北あかり・メークイン・レッドムーン・はるか

雪の下に寝かせる事により、ショ糖が約2倍に増え、お菓子の様な甘さに仕上がります。まずは蒸かして、素材の味をお楽しみ下さい。
雪下熟成のコラムへ

 

ドロシー

ドロシー

フライドポテト・ロースト・軽い煮込み向き。
油との相性が良い品種でした。熟成変化が微量、糖変動が少なく貯蔵に適しており、シーズン後半、レストラン向けの揚げ物用品種として喜ばれたのを覚えています。種芋の生産が無くなり栽培終了となりました。

■栽培期間/2009年
■栽培ポイント/ジャパンポテトのフランス種。多収量

花標津

花標津

フライドポテト、蒸し煮向き。
油との相性が良い品種でした。熟成変化が微量、糖変動が少なく貯蔵に適していましたたので、シーズン後半、レストラン向けの揚げ物用品種として喜ばれたのを覚えています。種芋の生産が無くなり栽培終了となりました。

■栽培期間/2001年~2008年
■栽培ポイント/さやあかねの母品種、病気に対し抵抗性のある品種
キタカムイ

キタカムイ

肉じゃがなどの煮物、ロースト、蒸し煮に。
大粒で丸く芽が浅い特徴があります。やや粘質で熟成スピードは遅いですが、糖化もあり、熟成で力を発揮する品種です。2月下旬に完熟期を迎え、比較的長い間味が抜ける事もなく味をキープします。熟成後はとても美味。種芋が手に入らず、栽培を中止していますが、チャンスがあれば、また挑戦したい、熟成に奥行きのある品種です。

■栽培期間/2016年
■栽培ポイント/とうやが父親で芽が浅く、球状の際立って美しい。多収品種。種芋が入手困難の為作付け中止
ジョアンナ

ジョアンナ

煮込み料理、ロースト向き。
フランス系のじゃがいもで、細長く正にヨーロッパ!という印象。日本ではお目に掛かれない姿形です。胡瓜の様な細さで、輪切りにして調理しても。この形状のじゃがいもが売り場に並んだら楽しいと思います。種の入手が困難、更に余りにも収穫量が少なく、熟成変化も微量、形状からもマニアックすぎて生産を中止しました。

■栽培期間/2002年~2004年
■栽培ポイント/非常に細長い特徴的な形状。あまりにも低収量の為栽培断念

シェリー

肉じゃがなどの煮物、蒸し煮
私達の取り組み初期に栽培し、良さを理解出来ずに早々に生産を辞めました。しかしその後、赤皮じゃがいもの熟成特徴を知り、当時私たちの技術不足から十分に力を発揮させることが出来なかったのではないか、、、と再度取り組んだ品種です。粉質系赤皮じゃがいもの熟成特徴を掴むのに一役買ってくれました。新じゃが期のミネラル感溢れる土っぽい香りが特徴です。エグミが出やすいのが難点。

■栽培期間/2006年~2009年
■栽培ポイント/細長い形と赤い色で特徴が際立っていた品種。小粒傾向の為株間を広く栽培。

紅丸

ポテトサラダ、粉吹き芋向き。
昭和初期からある古い品種で、その後澱粉原料用として栽培されていた品種です。農家のお年寄りの中でも知る人ぞ知る「ペポー」というドイツ品種が父親らしいのですが、渋い固定ファンもいらして赤皮系品種の熟成解明もあり、数年に渡り栽培をしました。熟成ムラがあること、早い時期からエグミが出やすいことから栽培を止めた品種です。

■栽培期間/2006年~2009年
■栽培ポイント/歴史のある澱粉原料用品種、多収を目指して施肥量を多くすると、えぐみが出やすい

インカパープル

シャドークィーンの前身品種で、色はシャドークィーンに比べて浅く、北むらさきより深い紫でした。色素が水溶性で煮ると脱色される特徴があり、それをカバーするのに生まれたのがシャドークィーンです。

■栽培期間/2004年~2006年
■栽培ポイント/インカのめざめより2週間ほど畑での熟期が遅い中晩成

インカレッド

ノーザンルビーの前身品種で、インカパープル同様に色素が水に溶ける特徴がありました。色自体ノーザンルビーに比べ、まだらで薄く、やや赤みを帯びていたのを記憶しています。早々に種芋の入手が困難になりました。

■栽培期間/2004年~2008年
■栽培ポイント/果肉の色は薄い赤でインカパープル同様に中晩成品種

紫月

新じゃが期は印象が薄い味わいですが、2月頃から一気に花が咲いた様に糖化して、熟成変化する品種。現在種芋が手に入りにくく、栽培を見合わせています。

■栽培期間/2016年
■栽培ポイント/栽培しやすく、玉揃いが良い

チェルシー

粉吹き芋、じゃがバター向き。
小粒で粉質です。男爵に似た味わいで熟成も微量でした。

■栽培期間/2004年~2006年
■栽培ポイント/小粒で高澱粉、芋数が多い為株間は広くする

スノーデン

■栽培期間/2006年~2009年
■栽培ポイント/チップ用の加工品種。じゃがいものなり方が非常に深く、横への距離も出る為、多収であったが収穫作業が大変だった。

スターター

■栽培期間/2009年
■栽培ポイント/茎葉が丈夫なフランス種

十勝コガネ

■栽培期間/2009年~2011年
■栽培ポイント/早生の加工向け品種で中心空洞になりやすい為、施肥量を少なめにする

トヨシロ

■栽培期間/1970年代~2004年
■栽培ポイント/ポテトチップの原料品種なので一般販売されないが、全国的に最も多く栽培されている品種。

雪つぶら

■栽培期間/2009年
■栽培ポイント/男爵より小粒だが多収で高澱粉。男爵より3日位晩生

あかね風

■栽培期間/2019年試験栽培・試験熟成中
■栽培ポイント/レッドムーン、スタールビーの系統品種

農林1号

■栽培期間/1975年~2001年
■栽培ポイント/一世代前のポテトチップスの主力品種。今も時々使われている。多収で病気に強く栽培しやすい。

ワセシロ

■栽培期間/1985年~1990年
■栽培ポイント/早期出荷用のポテトチップ原料品種。成育後半から肥大が急激に早いので施肥量は適度に。